2017年08月08日

「旗を高く掲げよ」 ドイツ第三帝国時代劇~感想等。

「旗を高く掲げよ」 カンプバタリオン!!ささやかな支援も完了し。 招待を受け何とか千秋楽に観ることができました。
 関係者皆さまお疲れ様でございました。
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カンプ常連様戦友様も大勢観に行かれたようで感想を多数頂戴していますので一部をご紹介。
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以下、ほぼオリジナルのまま掲載。

  「旗を高く掲げよ」 ドイツ第三帝国時代劇~感想等。
青年座の「旗を高く掲げよ」を見に行った。
実に面白い作品であった。

・・・・・・・・・・・・・ネタバレありです。

1938年、中世史が専門で小学校のラテン語教師ハロルドは幼馴染みの靴屋の息子で今は親衛隊中尉のマイヤーから親衛隊に勧誘される。「アーネンエルベ」が中世史に詳しい人材を求めているというのだ。
「クリスタルナハト」に遭遇し米国に亡命する商店主のユダヤ人オットーからの警告や妻の友人ヘルガがナチに懐疑的だったこともあり彼は迷うが、熱烈なナチ支持者の妻レナーテの薦めもあり入隊する。そこでのハインリッヒ一世の東方征服についての論文がヒムラーの目に止まり彼は出世の糸口をつかむ。
資料提供を手伝った後輩教師のブルーノは左手が不自由な障害者でハロルドにナチに深入りする危険をとくが彼は耳を貸さない。さらにマイヤーの引きで新設の経済管理本部に異動した彼は最初は押収した本の価値を鑑定する仕事についていたが、広くユダヤ人労働を管理する仕事に関わっていく。大戦末期、大佐に進級していたマイヤーが中佐のハロルドに、敗戦に備え物資の隠匿を持ちかけるがハロルドは「第三帝国が敗れることはない!」とマイヤーを裏切り者呼ばわりして追い出す。
1945年、いよいよ赤軍がベルリンに迫る中、娘のリーザはパンツァーファウストを担ぎ、国のために戦うんだと飛び出していく。ことここに至ってハロルドもレナーテも間違いを悟り、自殺の決意を固める。

1949年。東ドイツ建国後のベルリン。そこには、米国から帰国したオットーに「これからは社会主義を学ぶ。なに、社会主義も悪いもんじゃない」と語るハロルドの姿があった。唖然とするオットー。レナーテは「リーザの遺体は見つからなかった。いつか帰ってくるかもしれないからベルリンを離れない」と遠い目をする。

面白い!実に面白い。

二人に自殺させていたら、あるいは反省していたら、平凡な作品になっていたはずだ。それをさせず、敢えてハロルド夫妻を無節操な人間として描いたところに、本作品の面白さがある。歴史は立派な人間だけにより作られるわけではない。体制を支えるのは時代に流され、ときに流れに竿さして、また流れに身を委ねる、そんな人たちの行動の集積なのだ、ということを強く感じた。

本作の面白さは、細かいところへの無理の無い気配りだ。アーネンエルベだのSS経済管理本部だの、あるいはハインリッヒ一世だの、我々にはお馴染みだが、かなりマニアックな用語が飛び交う。衣装も、経済管理本部のカフタイトルや菱形の袖章を再現、勲章も剣無しの戦功章であるなど、舞台衣装としての限界はあるもののマニアックに凝ったものである。1938年、1940年、1942年・・・と区切りごとに国民ラジオから流れるニュースで状況を説明する手法も効果を上げていた。
開演前に用語集が配られていたぐらいだが、これらに馴染みの無い観客には面白さが伝わりにくかったかもしれない。
だが、これら細部の鮮明さが、かえってハロルド夫妻の空虚さを際立たせる効果をもたらしている。またブルーノが教師らしく、前線で戦いたいというリーザを「気持ちはわかるが、女性のいるべき場所は家庭であるという総統の教えに背くことじゃないかな」と、やんわりと諌める場面は秀逸だ。
ナチスに懐疑的でも、ナチスの主張に則した彼女を危険から遠ざけようとしたブルーノは思慮深く、極めて教師らしく振る舞っている。
そしてこれはまた、ベルサイユ条約の「民族自決」を逆手にとって旧ドイツ領回復に利用したヒトラーの手法に通じるものでもある。「敵から学ばない者は愚か者だ」と総統は言ったはずだ。

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さて、先週木曜日朝日新聞夕刊の批評欄では、本作品は酷評されている。
それは「ハロルドの歴史教師という視点が生かされていない」というものだが、ハロルドは「中世史専攻のラテン語教師」であって歴史教師ではない。中世史の専門家であり他の時代について興味がなければ時代に流されるのも不自然では無い。後輩教師のブルーノに比べてあまりにも軽率な人間であるとは言えるが、実社会においては思慮深い人間より軽率で深く物を考えない人間のほうが仕事を前に進め、出世することは多々あることだ。
そしてまた、筋金入りのナチス支持者だったマイヤーのほうがナチスの暗部を知るがゆえに先が見えるという描写にも説得力がある。娘や父親を失いながらもベルリンで平然と生きるハロルド夫妻の「鈍感さ」、換言すれば主人公たちが毅然としていないことがある種の不快感をもたらすことは理解できるが、しかし、それが一般人というものではないか。

ナチス支持者の一角を占めたのが学校教師層であったことを思い出してもいただきたい。

************* 以下雑談・・・・・・・・・・

本作品、瑕疵が無いわけでもない。1949年建国時ににベルリンの壁ができたようにオットーが言っているが実際には1961年である。またパンフレットにはゲーリングが経済相と書かれているが「経済四か年計画における総統全権代理(四か年計画長官)」が正しい。これは経済大臣シャハトと競わせる意味もあった、ナチス政権特有の二重行政の産物であり、両者は別ものである。

リーザがBdMの褐色の制服を着て出撃を宣言する場面は、制服、演技ともに感動的。

「旗を高く掲げよ」 ドイツ第三帝国時代劇~感想等。

***********有難うございました。 ********

KB代表も、リーザの1945最終場面の家族とのやりとり・・・そして揺ぎ無い意志で武器を手に戦いへ向かう場面に
 泣けました・・・・・・・・(すでに脚本は読んでいるのだが)。

     青年座「旗を高く掲げよ」2017夏  終戦。  そして次の戦いに・・・・・平和のために!

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ドイツ軍中心的ミリタリーホビーショップ 

カンプバタリオン!!

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<カンプバタリオン!!出張作戦予定2017 後半戦!>  
              
7月30日 ワンダーフェスティバル2017夏 海洋堂さん主催 無事カンプ終戦
 http://kampfbataillon.militaryblog.jp/d2017-02-19.html 2017WFカンプレポート
リエナクターズギア&ショウエイ、ミリタリー駐屯地エリアでのカンプバタリオン!!大戦闘大勝利✨完遂。


8月11日、12日、13日 GWブラックホール夏 浅草3連戦 出展決定!
 http://kampfbataillon.militaryblog.jp/d2017-05-05.html BHのkb参戦記事
夏BH、ASAKUSA カンプバタリオン!!駐屯地いつものところ4階右手に3日間きっちり展開しご来場お待ちしております!


9月2~3日 大阪ショットショージャパン心斎橋 サンボール地下 出展! 
http://kampfbataillon.militaryblog.jp/d2017-05-28.html SSJ現地よりレポート5月の前回のg戦い。
カンプバタリオン!!西に東に参ります!夏もSSJ西部戦線異状ナシ!! アメリカ村へ突撃隊!

 そのほか予定・・・・・・・・・・・・・
9月末 韓国 プラトーンコンベンション
11月5日 V-Show東京ASAKUSA
12月1~3日 大阪ショットショージャパン心斎橋
12月1~3日 台湾台北

         <日程や参加予定等あくまでも現在での予定です>
イベントでは、限られた空間での限られた物資商品戦列です。
 会場で試着や購入リクエストあれば、開催日の2日ほど前までにメールなどで打電ください!できるだけお持ちいたしますので!


「旗を高く掲げよ」 ドイツ第三帝国時代劇~感想等。
5月GWブラックホールにて

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Posted by Rudolf 臥薪嘗胆 at 20:41